■フォーカスの問題
背景をボカす。
これは、一眼レフの魅力の一つでしょう。
これに魅せられて、一眼ムービーにチャレンジする人もいるんじゃないでしょうか。
・・・そう、僕みたいに。
しかし。
それは魅力でもあり、同時にアザにもなるのです。
背景がボケるということは、焦点が合う距離が狭いということ。
※被写界深度が云々、という専門用語がありますが、飛ばします。
例えば役者を撮っているなら、その役者にだけ焦点が合って、
役者より前、そして後ろの映像はすべて焦点が合わなくなるんですね。
だから、背景がボケる。手前もボケる。
でもね、
ちょっとでも役者が前に一歩出たりすると、途端に役者もボケてしまうのです。
今回、カルフの撮影で一番苦労して時間がかかったのは他でもない、
“向こうから人が歩いてくる”というシンプルなカットでした。
これだけで半日つぶしました。
この撮影、役者が動くのに合わせて、フォーカスをリアルタイムに変えていかないといけないのです。
だから、撮影カメラマンとともに、フォーカスだけを専門に操作するスタッフを用意する必要が出てくるのです。
これまでDV 撮影の時あまり問題にならなかった、フォーカスマン、という人材の確保。
撮影カメラマンはとフォーカスマンの連携も必須ですし、
小さな液晶では焦点が合っているかどうかが見づらいので、モニター画面も必須になります。
最低限、液晶を拡大表示するファインダーがないと厳しいですね。
そして、フォーカスをどうするか、を常に考えた絵作りが求められることになるのです。
ちょっとでもフォーカスがずれようものなら、出来上がった映像ですぐにバレます。
だって、ハイビジョンですから。
さて今回一発目のお金の話です。
フォーカスマン、という人材が増えると、弁当代・交通費が増えます。
フォーカスを細かく操作する機材は、色々調べましたが軽く5万円以上します。
液晶モニターは2、3万円~。
ビューファインダーも1、2万円~でしょうか。
当たり前ですが、最低限の料金を書きました。上をみるとキリがありません。
■メディアが足らない問題
メディア。
つまり、映像を保存する、記録媒体ですね。
DVカメラの時は、miniDVテープ、がそれに当たります。
記録メディアは一眼レフによって違いますが、
僕の使ったEOS 7d ではコンパクトフラッシュメモリでした。
さてこの記録メディア。
コンパクトフラッシュでもSDカードでも何でもいいんですが、
一体どのくらいの容量を買えばいいのでしょうか。
これが、撮影現場によって変わってくるので悩ましいのですが、
カルフでは32GBのメモリを2つ用意して撮影にのぞみました。
ここまで聞くと、ふーん、そうなのね、という感じなんですが、このメモリの金額がまた悩ましいんです。
32GB で、1万円とかしちゃいます。
メーカーによりますが。
64GB とかもありますが、
そんなに何個も買えないんですね…。
でも、少なくとも一つでは心もとないと思います。
■バックアップの問題
メモリの話に続くんですが、
動画素材は結果的に120GB くらいでした。
カルフの新作は撮影が4日間なので、比較的短い作品です。
これは、32GB を4枚使ったのではなく、撮影が終わる度にハードディスクにコピーして、コンパクトフラッシュのデータは削除してたんですね。
ここでまた必要なものがあります。
そう、ハードディスクです。
これは金額はピンきりですが、TB(テラバイト)は欲しいところかな、と思います。
はい、また1万円札が飛んでいきます。
そして話はここで終わらないのです。
デジタルデータ保存を不安がる人が多いのは事実です。
僕自身は正直あまり気にしたことはなかったのですが、あまりにデータが飛ぶよ、と脅かされたので怖くなり、さらにバックアップすることにしました。
具体的には、ハードディスクのデータをさらにブルーレイやDVD に焼くのです。
これは、お金が、というより作業がしんどかったです。
撮影で疲れて帰ってきて、次の日のために何枚もDVD を焼くのです。
※ブルーレイレコーダーをこのために購入するのは無理でした・・・
DVD は4.7GBほどですから、32GB のデータは7枚とかになるんですね。
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