超初心者のための映画制作講座

海の向こうで映画を作る!

鈴木英之 8 Moment Enterprise

22:FILM SCHOOL 映画学校

映画学校へ行くなら、現場で働きながら学ぶべきと答える人達の方が多かった。
ただ、「同じ夢を持った仲間ができる」「卒業後、仕事を紹介してくれる」「カメラ、照明、編集等一通り学ぶ事ができる」という事から賛成する人もいた。

「現場には “ Answer (答え)” があり、学校には “ Manual(マニュアル)” がある。」

何を言いたかったかというと、
映画学校には教科書があるという事だ。

映画製作の経験が少ない僕は、常に何をすべきかと言う事に悩んでいた。
撮影現場で分からない事があれば、誰かが教えてくれる。
しかし映画監督になるために、次に何をしたらいいのか、自分がどこへ進んでいるかは誰も教えてくれない。

僕はプロデューサーであるルークに相談をした。
ルークの回答は、短期の映画学校へ参加してみたらというものだった。
日本にもあるが、リーズナブルな価格で、3ヶ月〜6ヶ月ぐらいのコースがある。

僕は、早速調べ、応募した。
“ Visual Storytelling “という監督コースだった。



内容は、生徒全員で同じ脚本を読み各々ストーリボードを作成し発表したり、有名な作品のあるシーンを分析する等、視覚で物語を捉えるというテーマが多かった。

念願の学校であったが、僕は違う事で悩んでいた。
生徒全員が英語圏出身であったため、言葉がまったくついていく事ができなかったことだ。

毎回、何か発表する機会があり、その度に極度の緊張に襲われ苦痛だった。
休み時間には、よく一人になったので、チャイムと共にトイレへ行った。

小額な授業料だったが、もとだけは取ってやろうと思っていたので、なんとか最後まで授業に参加した。
映画監督に必要なスキルを学ぶ事ができたが、それ以上に、「緊張と孤独」から精神面を鍛え上げられた学校生活だったと思う。

スティーブン・スピルバークのすごさ

学校の先生は、よくスピルバークの映画を参考にした。

多くの映画は「16:9」のサイズで撮影する。
僕も自主映画を撮影した時、何も考えずこのサイズで撮影した。
スピルバークは、JAWS(ジョーズ)の撮影で、「1:2.85」とものすごく横長のサイズで撮影した。
視聴者に海を広く見せ、恐怖を煽ろうした手法だと先生は言っていた。

他にも、警察署所長、海洋学者、市長の三人が、砂浜で海水浴場をオープンさせるかどうかと討論をしているシーンでのカメラワークの分析をした。
ワンショットで撮影しており、三人の俳優の動きや会話によって後ろの背景も変わっていくのだが、その計算されたカメラワークに先生が絶賛していた。





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