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機材はどこまで必要か


執筆:工房の主人

初めてカメラを触った日々〜カメラの個性を知るということ

イッチバン最初に手にしたのは、おじいちゃんが電気屋の店員に言われるがままに買ってしまったビデオカメラでした。
一抱えくらいあるような、でもレンズはちっちゃい、昔のカメラです。
(あ、機種名とか、ほんと全然分からないので、許して下さい)

おじいちゃん自身はあっという間に使わなくなり、暇だった僕は「貸してくれ」と頼んでみました。
事実上「くれ」の意味だった訳ですが。

「ええよ、持って行きんさい」(あ、広島弁です。念のため)

この言葉が、すべての始まりでしたね。


 

さあ、よく分からんままに、いつでもどこでもカメラを持っていって撮影してみました。
そして、撮ったものを撮るたびにテレビに映して見てみました。
すると、思うものが全然撮れていない。

ファインダーをのぞいて「いいぞいいぞ」と思うものの、テレビに映っているのは「何じゃこりゃ」の代物。
今でこそ言えますが、これ、ポイントです。
カルフのワークショップでも、初めての方が多い場合、よくやります。

自分がカメラをまわすとき、
目に入っていて頭に描いているものと、実際に撮れているものの差を知ること。

ここから始まります。

ちなみに言うと、「自分が撮りたいもの」と「今あるカメラでできること」の差を知ったとき。
僕は数年間、映画制作から離れています。

一番最初にあったのは、こんな環境です。

1994年〜 -------------
○撮影:ビデオカメラ一台
    2000円くらいの三脚一台
○編集:ビデオデッキ
○音楽:CDプレーヤー
○編集用モニター:テレビ
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(初期の編集環境はこちらが詳しいです→『リニア編集への鎮魂歌』)

音声に凝る、なんて発想もなく、音声はビデオカメラについているマイクだけ使っていました。
完全に一人作業の環境ですね。

次に、たしかポータブルMDデッキを買いました。
まだちょっと高かった頃ですが、バイトで貯めた金でえいや、っと買った覚えがあります。
5万くらいだったでしょうか。


 

もちろん音楽を聴くためなんですが、結構セリフを録音するのにも使いました。
上記の環境だと、ナレーションなどを入れる場合、編集の際にリアルタイムでしゃべらないといけません。
なので、前もって声を録音しておくために使ってましたね。

1995年〜 -------------
○撮影:ビデオカメラ一台
    三脚一台
○音声:MDデッキ
○編集:ビデオデッキ
○音楽:CDプレーヤー
○編集用モニター:テレビ
-----------------------

この環境で、8本ほど作りました。
まだまだ不便な点がいっぱいですが、基本的に創意工夫でがんばってました。
正確には、ごまかしてました。

この頃、まだマイクは登場しません。
なぜかって?
室内撮影ばっかだったから、音声についてそれほど大問題でもなかったのです。

その後、特撮映画にこだわっていたこともあり、撮影機材というより、小道具づくりに傾倒していきました
機材的にも知識的にも、合成だとかそんなことは思いつきもしません。
クレイアニメとかミニチュアを作ったり、そんなものです。

で、数年間映画から離れた後、また舞い戻ってくる訳です。


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