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Lesson4:絵の描き方

人間の描き方
 ストーリーを描いていく前に、人間の描き方についてお話しします。一番の基本ですし、これが難しそうで「絵コンテなんて描けない!」と思い込んでる人が多いのではないかと思うからです。

顔の描き方
 まず、『顔は○と+で表現する』と頭に叩き込んで下さい。
○は顔の位置と大きさを表現します。
+は、顔の向きを表現します。 +の交差する点が、「鼻」を指しています。
例えば右図を見て下さい。簡単な絵ですが、人間の位置関係、方向などが完璧に分かるんではないでしょうか。


尚、表情に関しては描かないくてもいいと思います。ここは役者さんに期待しましょう。

人物を描き分けたい時は、髪型や眼鏡などを利用してみてください。


体の描き方
  あまり意識しなくて構いません。頭の位置が決まれば、実は体の位置なんて考えるまでもありませんから。体は、頭の首から真下にあるに決まってますからね。
衣装は、それが映画の主題に大きく関係してこない場合は、それほど意識しなくてもいいでしょう。詳しく描かなくてもいい場合が多いです。体に関しては、ポーズ、アクション、といった描き方が問題になってきますね。

 人がたくさん出てくるドラマの場合、人を「描き分ける」必要があります。
そんな時は実際の衣装を考えてみましょう。映画の中でも、役を見分け易くするために何かしら違いを出しているはずです。
例えばこんな描き分け方はどうでしょう。

木の描き方
 森の中、木の下、などという「位置関係」が分かるのが目的になるはずです。こんな描き方で十分なんです。
ほら、木と人間の関係がすぐ分かるでしょう?


風景の描き方
 
ロケハンなどに同行できれば、その時にデジカメで写真を大量に撮っておきましょう。それをもとに描けばいいんです。


空、川、建物など、詳しく描く必要なんてないんです。「その場所がどんなところか」を描ければ十分です。


 また建物に関してですが、これもまた「人間の位置関係」を伝えることが目的になります。
つまり、左側の絵のように立体的な絵を目指すのではなく、右側のような 「図示」で十分、ということが分かると思います。
これも立派な絵コンテなんです。


乗り物の描き方
 乗り物そのものについては、走ってるか止まっているか。走っているならどの方向か、が分かるだけでいい。
乗り物の外見は無視する。たいていの乗り物は、誰だって知ってますからね。


 車内に関しては、誰がどの位置に座っているかが分かればいい。
そうやって考えると、左のような詳細なコンテではなく、右のような図で十分なことが分かると思います。

ただし、乗り物で重要なのは、「撮影方法」だということをお忘れなく!!


動物の描き方
 もちろん内容によりますが、ゾウやチーターの出てくる映画を作ることは本当にまれでしょう。せいぜい犬やネコ、ハムスターといったところではないでしょうか。
つまり、たったこれだけの動物を観察するだけでいいのです。
ここでは、犬を取り上げてみました。


部屋の描き方
ここでも目的を考えます。
部屋の中では、役者がどの位置にいるか、を示せればいいですよね。

 


その他の描き方
上記でほとんどのシーンを網羅できると思います。それ以外のものは、「描かなくていい!」と言い切ってしまいましょう!
余白に文字でフォローを入れておく。それで構いません。例えばこんな感じです。


以上、いろいろ書き連ねましたが、あくまでこれらは、「私が描いている参考例」です。大事なのは、みなさんが自分で考えて自分が描きやすい方法を見つけるということなのです。

絵の描ける人と描けない人の一番大きな違いは、「その形を知っているかどうか」なんです。
例えば犬を描けない人は、犬の「形」を知らないんです。犬の後ろ足の関節の曲がり方、座った時と伏せた時の前足の位置の違い、首の長さと顔の長さの関係など、分からないことは意外と多いのではないでしょうか。

描きたいものを観察する。
絵を描く一番の基本です!

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