超初心者のための映画制作講座 > 映画の企画と準備 > 絵コンテの描き方

Lesson3:絵コンテ用紙とその使い方
■ノートではなく、ルーズリーフか独立したA4の紙を使う。
 ノートでは、順番を変えることができません。また、付け足すこともできません(破ることはできますね)。私はA4の紙に一枚一枚描いています。
(写真参照→)

■絵コンテは、シーンごとにページを変える。
 例え1カットしかないシーンでも、1ページには1シーンだけです。短いシーンは、別の場所に編集時に移されることも多いからです。

■絵コンテは鉛筆で描く。
 もちろん、絵に自信のある人はペンで描いて下さい。その方がしっかりとした絵になり、コピーしてもきれいです。また、余力があるのならペン入れなんかもしてもいいのですが、そんな時間があれば早く描き終われ!ってことになると思います。
最初はやはり鉛筆でガシガシ描いて、間違えたら消して、どんどん先に進みましょう。

■コマの横の余白にはセリフとアイディアを書き込む。
 すぐ右側の余白には、そのコマで話されるセリフを書き込みましょう。ただ、全部書いていたららちがあかないので、“A「○○だね」〜B「違うんだよ」まで”程度で構いません。
また、“ここはヒッチコックの『鳥』のようなアングルで”など、絵コンテを描きながら思い付いたこともメモしていきましょう。

 セリフやメモはしかし、タイプうちをしたいなと思いませんか?役者さんがしっかり読めるように。
でも、これは私の経験ですが、役者さんの多くは絵コンテをあまり見ません。参考程度にながめるだけのことが多いです。彼らにとって、脚本がすべて、なんですよね。なのでセリフも読んで分かる程度で構わない、と考えて良いでしょう。監督が分かれば、それでよいのです。問題は、「自分が読んでも分からないことがある」ってことです(笑)。

 いろんな方法を試した結果、私は写真のようなやり方に落ち着きました(写真1参照→)
大きめのノートを買ってきて、左側に絵コンテを、右側にはその絵コンテに相当する部分の脚本を、それぞれ貼付けています。 ちょっとした作業になってしまいますが、これは撮影の時、びっくりするくらい助かります。
また、それぞれのシーンもすぐに開けるよう、タグをつけるのもよいでしょう(写真2参照←)
私はいつも、「絵コンテを大量にコピーして、それを分類して配る」という作業を映画のスタッフの最初の共同作業にしています。



■描いたらコピーして使う。
 すべて鉛筆で描かれていたら、現場で何度も触っているうちに手も紙も真っ黒になってしまいます。これは避けたい。いずれにしても、絵コンテは描き終わったらスタッフや役者に配る人も多いでしょう。だったら原本は大切に保管しておいて、コピーを現場に持ち込みましょう。コピーしたものなら、その上からいろいろ書き込んでも大丈夫です。
尚、描き込むペンも使い分けると便利です。私は青と赤の2種類を常に持ち歩いています。青は追加アイディア、赤は手直しです。

■一枚一枚コマ枠を手描きしていくのはやめる。
 絶対面倒くさくなります。それに、絵コンテを描き進めるうちに「ノッて」くることがあります。そんな勢いをとめてしまうのはもったいない。
そこで最初にフォーマットを決めて、それを大量に印刷しておきましょう。

 ちなみに、世の中にはいくつかのフォーマットが出回っていると思います。それをプリントアウトしたり、買ってきたりしてもいいのですが、私は自作するのが一番だと思います。
やはりプロの世界にはプロのフォーマットがあるのですが、それは「テレビ用」だったり「映画用」だったりします。つまり、「テレビカメラ用の時間の目盛り」や「フィルムのフィート数目盛り」なんてものがついているんですね。
みなさんは、おそらくDVで撮影の方が多いと思いでしょう。
自分が描きたい箇所だけを描けるようなフォーマットの方がやっぱり描きやすい。

以下、あなたがフォーマットを決める時に考えるべきポイントをまとめてみます。

Point1:ひとコマひとコマの絵は、どのくらいの大きさがいいのか
 ちなみに、小さいと描く分量が少なくて済み、楽です。ただ、大きい方が描きやすくはあります。また、あなたが撮ろうとしている画面のアスペクト比も考慮に入れる必要がありますね。つまり、画面の縦横比です。
DVカメラを普通につけた状態で撮るのならば、普通のテレビサイズと同じ、4:3になっているはずです。その比率のマスを描いていきましょう。また、画面の上下に黒帯をつけて、少しでも映画っぽくしたい!と思っているのなら、そのサイズにしましょう。
ちなみに私は4センチ×3センチくらいのを使っています。

Point2:一枚の絵コンテ用紙に、2列の絵を入れたいか、1列だけにするか
 好みによりますので、両方のいい点を並記します。 1列のいい点は、余白が多いということです。絵コンテ通り撮影が進むことなんてありません。そんな時修正が加えられる利点は計り知れません。 また2列の方は、1列の絵コンテよりも長い流れがつかめます。ものがたりのスピード感をよりよく伝えることができます。

Point3:余白
 余白は上記を踏まえて、なるべく多くとって下さい。現場で、どんどん描き直したり、描き足したりしていきます。その分のスペースはとっておきましょう。

★私が試行錯誤の末に行き着いた絵コンテを参考に載せておきます。
よかったらプリントアウトして御自由にお使い下さい。

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