ホーム 映画制作講座みなさぁ〜んお昼ですよぉ〜! > ランチタイムブルース

1:ランチタイムブルース ロケ弁の役割

前もって言ってしまうと、私は家庭的なタイプではまったくない。エプロン姿で「おかえりなさぁ〜い♪ごはんとお風呂どっちが先?」なんてことは一度もやったことないし、これからも断固としてやるつもりはない。気分転換として料理って嫌いじゃないけど、平たく言うなら食べることにもあまり興味がない。胃のキャパシティはもっぱらアルコール摂取のために使われちゃうからね。
 
そんなやつがなんで弁当係!?という感じだけれど、それは単に私がお調子者のホン書きだからである。
お調子モンってとこがポイントではないのだよ。ホン書きってところが重要。
大体ホン屋ってもんは、クランクインの前に企画の段階であーだこーだ悩んで原稿を書いてしまったら作業は終わり。みんなが盛り上がる頃にはお役御免。用なしになってしまうのである。だから現場に行ってもやることがない。…っていうか、そもそも現場に呼んでももらえない。
  それじゃあつまんないじゃーんっ!現場楽しそうじゃーん。私も仲間に混ぜてよ混ぜてよー、と座席の隙間におしりをネジ込むおばちゃんみたいに、隙間を見つけて無理やり入って行くにはどうしたらいいか…と考えた末に思い当たったのが「弁当係」だったのです。

現状、ロケの現場では「お昼は各自でコンビニで買って…」っていうケースが多くなってしまうんだけれども、みんなで丸くなってお弁当を食べるっていうのがあっても悪くないよね。そのことで現場が活気づくし、その作品で初めて顔を合わせた、知らない人同士の距離が縮まったりする。作品についての意見がぽろっと出たりするのもそんな時。ピリッとした空気がその時だけなごむ。その瞬間がなんかいい。
みんなで同じお弁当を食べるってことにはそんな効力もあるのだよ。

  局の外ロケなんかの場合には、だいたいお弁当が出る。仕出しの幕の内なんかをADが手配してくばることになっている。
だけど出来合いのお弁当は割高だし、予算が割けない現場では作っちゃったほうが絶対に安上がり。そもそも大人になって遠足に行くことってないじゃない?そんな感じがあってもいいなぁ…なんて思ったしね。

そんなこともあってみなづきは、ホン屋のかたわら、仕出屋のおばちゃんと化してせっせとおにぎりを作ることになり、ついには「え?みなづきさんて脚本書けるんですか?」と言われるほどの立派な弁当屋となって、ついにはこのページを任されるほどにまで成長したのである。
というわけで、このコーナーはロケ弁に関する指南書であるとともに、みなづきの弁当係としてのサクセスストーリー、汗と涙の奮闘記なのであーる。じゃーん!

…というわけではじまりました「大人の遠足・ロケ弁編」、次回は最も気になる予算について、ぶっちゃけてみたいと思います。どうぞお楽しみに♪
(…って始まっちゃったけど、カントク、たまには脚本も書かせて下さいね・笑)


Copyright © Since 2001 映画工房カルフのように All rights reserved.
ホーム 映画制作講座みなさぁ〜んお昼ですよぉ〜! > ランチタイムブルース