脚本がまとまると同時に、タイトルも決まった。
タイトル名:WILL
意味は「遺書」である。
英語の遺書は、日本語の遺書とちょっと意味合いが違い、子供達や残された者に財産を残すというようなポジティブの意味が強い。
今回の作品では、出来るだけ監督業に専念できるように、同じロケーション、同じスタッフ、同じ役者で撮影に挑むようにした。しかし映画製作は常にチャレンジの繰り返しだった。
キャスティング
脚本をブラシュアップする内に、様々なシーンが追加され、登場人物が増えたのだが、キャスティングでイメージ通りの役者さんを見つける事は本当に難しい。
例えば、兄と弟の兄弟を探した時、外見は似ているが英語の発音が異なると指摘を受けた事がある。
同じ環境で育ったのに、アクセントや発音が違うのは違和感があると。言語以外にも、文化や歴史を知らなくてはならないケースもある。
ただ、僕は、オーディションは何度しても楽しいと思った。
役者のスケジュール
WILLでは、登場人物が5人出てくる。
ここで問題なのが、撮影する順番である。予算から撮影は1日で終わらせなければならない。どのシーンから撮影をすればスムーズにいくのかすごく悩んだ。
天候
天気だけはどうしようもない。
雨が降りやすいシーズンは撮影をしない事につきる。
ストーリにもよるが、時に雨が背景になった事により、ぐっと味のあるシーンになる事もある。他にもシドニーの雨は、約1時間で止みその後、太陽が出る事が多いので、1日の撮影でもまったく異なった日を演出する事ができる。
映画を作るためのルークの教え:13
●1人でもいいので優秀なスタッフ(プロフェッショナル)を雇う。
プロが参加した作品とそうでない作品は、歴然とした差がある。
しかもプロが参加した撮影は、その回りにいる人達にも影響を与え、全体的にレベルが上がるといった相乗効果もある。