２４：LAST FILM MAKING　最後の映画製作１

あくまで目標は、４ヶ月後に開催されるトロップフェスタベスト１６である。

プロデューサーであるルークの教え通り、まずスケジュールと予算を組んだ。

まだ何を撮るかはまったく決まっていない。
スケジュールを見ても２ヶ月以内で脚本を仕上げないとならない。

前回、ロケーション探しでかなり時間を割いてしまったので、僕が居候するルークの家をまた使わせてもらう事にした。
人物設定も１作目に演じてもらったチトさん（４２歳）を主演として書く事にしたのだが、ここからがなかなか進まなかった。
時間があれば図書館で脚本の題材を探しては、そのジャンルの本を読みあさり、ネットで面白い情報がないか調べた。

２週間が経った時、ふとある本が気になった。
それは人間の脳の可能性についてのものだった。
それを手にした時、頭の中で何かがひらめいた。

すぐに家に戻り、アイディアやイメージをまとめた。
僕の好きな映画でもある “MEMENT（メメント）” からもヒントを得た。
ただ、ある脚本家から「双子、子供、動物、記憶喪失」等のストーリは最初の作品では、タブーとされていると言っていた事を思い出した。

ロケーション＝我が家、
予算、
メメント、
死、
記憶障害、
主演＝チトさん、
認知症、


ある程度、脚本が出来上がってきたのだが、物語の展開が１作目と似てきてしまい、立ち往生したそんな時に、ルークが脚本の段階で今回の映画製作に加わってくれると言ってくれた。
二人のアイディアが次から次へとまとまり、僕は良い作品になりそうな予感がした。