2009年度アカデミー賞作品賞に輝いた「スラムドッグ&ミリオネアー」の監督「ダニーボイル」があるインタビューで答えた監督にとって一番大事な事。
「映画を完成させる忍耐力」
僕が参加したあるミュージッククリップのCALL SHEET(予定表)
・ARTIST(ミュージシャン):Josh Pike
・TRACK(曲名):Lines on Palms
・RECORD LABEL(レーベル名):Ivy League Records
・PRODUCTION COMPANY(プロダクション名):Ticket To Ride
・PRODUCER(プロデューサー):Luke Torrevillas
・DIRECTOR(ディレクター):Helen Clemens
予算:$40000(360万円)
撮影期間:1日
プロデューサーであるルークから20代後半の女性を紹介された。
僕は、てっきりPA(日本でいうADのポジション)の人かと思いきや、この作品のディレクターだった。
今回のミュージックビデオは、アコースティックギターを持つカウボーイ風のミュージシャンが絵本(おとぎ話)の世界に迷い込んでしまい、様々な動物や植物達に出会うといったコンセプトなのだが、僕が一番驚いたのは、撮影スタジオ一面に貼られたストーリボードだった。
ディレクターであるヘレンのアイディアのようで、撮り終えるごとに、そのストーリボードが剥がされていき、複雑な撮影であったがスタッフ全員が撮影内容を把握する事ができた。
他にも彼女から学ぶ事があった。
それは現場作りである。
空き時間になると自ら積極的にスタッフとコミュニケーションをとっていた。
その結果、スタッフ全員が彼女の作品を盛り上げようという姿勢になっていたと思う。
そして何よりも彼女から強く感じた事は、「作品に対する情熱」と「完成への執念」だった。
穏やかなヘレンの顔が時より、厳しく鋭くなっていく様を僕は遠くからじっと見続けた。