超初心者のための映画制作講座

海の向こうで映画を作る!

鈴木英之 8 Moment Enterprise

10:REHEARSAL & PROPS & ART リハーサルと小道具と美術

「アクション」と叫ぶ僕は焦っていた。

今回の役柄は日本人という設定だったが、残念ながら役者二人とも日本語が話せない。
しかも撮影まで時間がなく、全員の予定が合うのは、今日だけ。一度きりのリハーサルだが、僕にとっては人生初のリハーサルであった。
緊張からか終始力んでいた。演出経験がないので、どんな指示をしていいのかもわからなかった。

リハーサルが終わった後、僕は大きな勘違いをしていた事に気がついた。

監督として彼らをリードしなければならないと思っていたのだが、まずすべき事は、お互いの信頼関係の築く事だった。
その上、英語力や経験の事ばかり心配していた僕と対照的に、役者二人は、そんな事は全く気にしておらず、ただただこの作品を良くしようと考えてくれた。


映画を作るためのルークの教え:5

ルーク100人の監督がいたら、100通りの演出(リハーサル)方法がある。

プロデューサーであるルークからのアドバイスで、良い小道具や美術は、フレーム内をより際立たせる事ができると教えてくれた。




僕の最初の作品となるこの メ Father and Son メの最後のシーンで壁一面に絵画を貼付ける。


このシーンは、父親から息子へと大切なメッセージが込められていたので、壁にある絵画を見る息子のショットはすごく良いものになったと思う。

ただ最初、僕自身が描いたものを使おうとしたが、ルークから「この父親役は、プロレベルの絵画スキルがあるんだよね」っと指摘され却下され、最終的にルークの知人である画家の絵を使わせてもらう事になった。
このように小道具や美術が、俳優のキャラクターをよりリアルにさせる。

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