3:DIRECTOR 監督
プロデューサーであるルークの家での生活が始まり、3週間が経った頃、僕は自分の部屋に閉じこもり、ひたすら編集ソフト(ファイナルカットプロ)の勉強をしていた。
ある晩、ルークが僕の部屋を訪れた。そしてルークは僕に尋ねた。
「HIDEは、ここに来てずっと編集ソフトの勉強をしているけど、将来は何になりたいの?」
僕は、少し考え答えた。
「監督になりたい」
ルークは、僕に言った。
「今、HIDEがしている事は監督になるための事ではなく、エディター(編集者)になるための事をしてるよ」
この当時、僕は友人であるマークの影響を大きく受けていたので、ルークが言った事に驚いた。
マークは主に結婚式やメイキングシーンの撮影の仕事をしていた。
そのため、ある程度撮影や編集等を1人でこなさなければならない。
ルークは、さらに僕に言った。
「もちろん、カメラや編集機材を使える事は大事だが、監督になるためにやる事は他にあるよ」
そして、ルークは僕のパソコンのキーを叩き、” TROPFEST “ と打ち込んだ。
これを調べてごらんと言い、僕の部屋を去ろうとした時、僕の人生にすごく影響を与える言葉を言った。
“ It’s not what you know, it’s who you know.”
「何を知っているのかではなく、誰を知っているかだ。」
その場では、分かったつもりで ”YES” と答えたが、まだ本当の意味を理解していなかった。