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屋外でセリフを撮る

談話:助監督×工房の主人

屋外でセリフを撮る
助監「外の撮影の時は、音声さんはほんと辛抱強くならんといけん。」
主人「そうだよなあ。いつ『ほい、やるぞ!』って言われるか分からんからなあ。」
助監「天気とか風とか役者さんの準備とかカメラのセッティングとか監督の気分だとか、いろんなものが揃って初めて、出番となる。」
主人「屋外の音録で気をつけることは?」
助監「前も言ったけど、やっぱり役者の前にマイクを持ってくる。それから、なるべくセミの声や風の音が入らないように注意する。」
主人「買おうとは思ってるんだけど、ウインドジャマーは付けたいな。」
助監「ふさふさの風よけね。あれ、なんであんなに高いんだろう。下手したらマイクそのものよりも高い。」
主人「以前タオルを巻き付けてみたことがあったけど、声がくぐもっちゃってうまく録れなかった。どうもうまくいかない。」
助監「風をよける方法はいろいろ考えたなあ。」
主人「結局一番手っ取り早くて効果的だったのは、人間で風をさえぎってしまう、っていう原始的な方法だったな。」
助監「主人公がベンチに座ってケータイで話してるシーンなんかは彼の股間部分にマイクを持ってきて収録したらうまくいったな。」
主人「風なんかはなるべくマイクが向かい風の方向に向かないように注意すべき、と。」
助監「セミとかは気の上にいるから、マイクは常に下を向けてればある程度は避けれる。」
主人「うん。」
助監「あとね、思ったんだけどマイクの後ろに傘を広げてたらもうちょっとセミの声さえぎれたかもしんない。」
主人「なるほどね。」
助監「あの時思い付けばよかった。」
主人「そういうもんだ人生は。」


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