映画制作講座映画の音楽・編集映像作家にもの申す!


映像作家にもの申す!

ぽんた

独白1:現在の音楽制作のスタイル

 現在音楽は、基本的に編集が終わった時点でつけるようにしております。
以前は編集と同時進行で行っていたのですが、編集の度に音楽の必要な部分の時間が変更になり、その都度その時間に曲を合わせなければならず、最終的に音楽サイドが納得できない作品に仕上がってしまっていたからです。
ただ、やはりオリカワ監督は今でも最後の最後で手直し(編集のやり直し)をするので、音楽サイドは試写会で「おいっ!!」と、叫びたくなります。  

 一応撮影前から台本や絵コンテを頂き、登場人物やストーリー等の把握をしております。そして、大体どこのシーンにどんな雰囲気の曲が必要かを指示されております。
雰囲気というのがオリカワ監督においては重要です。具体的に挙げますと、『「どぉ〜ん」という感じの音』とか『「ギラン」って感じ』とか『最初静かで、どんどん早くなって「どかぁ〜ん」と、終わる1分30秒くらいの曲』等々、想像しがたい指示なのです。
自分はオリカワ監督とは付き合いが長くなりつつあるので、その指示でだいぶ分かるようになってきましたが、今回初めて参加したMORIさんはかなり苦労しておりました。  

 撮影が終わり編集が進んでくると、ビデオやデータCD等で映像を頂きます。それをベースに先ほどの指示を加味しつつ、時間を映像に合わせながら音楽を付けていきます。
できた音楽はどんどん監督に送り、吟味して頂き、手直ししたり完全に作り直したりして、監督のイメージに近づけるように努力していきます。この段階で、できないものはできないと返答したり、映像を通して観ることによって音楽が必要ない部分や逆に必要な部分も検討して監督に提案します。
この期間、とにかく恐ろしい勢いでメールを飛ばし合ったり、実際に会って話し合ったりしてぶつかり合います。  

 音楽も全てあがり、編集も大詰めを迎えた時、最後の編集に音楽班も参加します。微妙な音楽の入りや切りのタイミングやボリュームの修正のためです。これが終わると「お疲れ様でしたぁ〜!」を言って、あとは監督がいじくらない事を祈りつつ、上映会を迎える事となります。


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