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3:クオリティX 質と量について

予算が決まったところで、じゃあ次は何をどう作ろうか…というお話。…と、その前に、これだけははっきり言ってしまうと、ズバリ「質より量!
甘いの辛いしょっぱいの…という味つけについてはこの際二の次と言ってしまってもいいと思います。そういう意味ではお料理初心者の方には実践の場として最適。「おいしい、おいしい」と言って食べてもらえるから、おおいなる自信アップにもつながります。その結果「私ってお料理上手♪」と、カン違いの道に進んでしまっても当局では一切の責任を負いかねますのでご了承下さい。

  話を元に戻して本題。
そりゃあね、私だって最初はいろいろ考えたんですよ。「どんな味付けがいいかなぁ…」とか、「これってみんな好きかなぁ?」とか、「味付け薄いかなぁ…」とか、その他にもいろいろいろいろ。
だけどみんな味なんて関係ないんだもん(笑)おむすびのご飯が多少柔らかかろうが、卵焼きが焦げてようが、一向におかまいなし。逆に言えば丁寧に味付けしてあっても「ちゃんと味わかってます!?」くらいの勢いで端から片付いて行ってくれるのは見てる方が気持ちいいくらい。「冷凍食品だけどいいのかなぁ…」なんて心配も無用でした。

これはね、みっつの偉大な調味料が味方してくれているからだと思うのね。
みっつの偉大な調味料。
よく言うでしょ?「お腹が空いてる時はなんでもおいしい」って。さらに「外で食べるとなおおいしい」「みんなで食べるともっとおいしい」…これですよ。
特売で買った冷凍食品でも、チープな食材でも、多少いびつなおむすびでも、外で、みんなで、お腹が空いてる時に食べれば味は確実に3割、4割増しになる。けれどここで気をつけなきゃいけないのが、質は落としても絶対に量はキープすること!
「え?これだけ?」「なんだか物足りないなぁ」なんて言われないように、私としては「余ってもいい!」という心構えで、とにかく量を持っていくことを心がけました。結果、余ったことは一度もなかったけど(苦笑)。
誰だ!おむすび4個も食ったのは!誰だ!「もう一人前(!)食べてもいいですか?」なんて言ったのは!
いつだって誰かがそんなことを言い出して、きれいに片付けてくれました。そんなふうに、予想以上にお腹が空いてしまうのが現場の本音らしいです。

…というわけで実践編。
例えばおむすび(またかい!)ですが、男の人が多い現場だったら、絶対に1人3つは必要。おかずがあってもなくても、ごはんだけはたくさん持って行く。20人の現場で一升半は炊きました。その時、うちの炊飯器って5合しか炊けなかったから、お釜は朝からフル回転。一回炊くのに約一時間と考えても、それだけで二時間かかってしまう。だからお米は前の晩に全部研いでザルに上げておく。
最初のロットは起きた時には炊き上がるようにタイマーをセット。起きたらすぐにボウルか何かに空けて、次のを炊き始める。炊けたらまた次のを…といった感じ。
炊けたやつにはいわゆる「おむすびの素」みたいのを振り入れて、どんどんどんどん握って行く。最初は「梅とシャケと…」なんて具の種類もあれこれ考えていたんだけど、人数が多いとそんなこと言っていられない。けっきょく最後にはビン詰めのなめたけなんかを最初っからお釜にぶち込んで炊き込みご飯にしてしまえ!ってなところまで行き着きました。

その間にも現場からは「ほんとにお弁当大丈夫?」って連絡が。携帯を耳に挟んで、ごはんと格闘(まさに格闘。K−1もびっくりのバトル)しながら「大丈夫です!今やってます!」と何度言ったことか。
それでも現場は「本当に大丈夫?足りなかったらどうしよう…」と思っていたみたいです。 おかずに関しても、「種類を多く」よりも「とにかく量を」の方が大優先。「あれと、これと…」って手間をかけるより、「3種類のおかずをどかーんと持って行く」方が喜ばれるみたいです。例えば、から揚げと卵焼きとお新香…とかね。当初カントクからは「おにぎりとお新香くらいでいいよ」って言われていたくらい、とにかくゴハンさえあれば何とかなる。けど、もっとお弁当らしく…と思のであれば、から揚げなら鶏肉2キロ(もも肉4枚。から揚げにして40個あまり…)。卵焼きなら卵1パック(それでも1人当たり2切れくらいにしかならなかった)。たくあん2本、とかそのくらいの量は必要かと思われます。

「えー!?そんなにたくさん朝っぱらから無理!」と思われる方、どうぞご心配なく。
次のコーナーでは「忙しい朝に効率よくこなすクイックメニュー」をお送りします。
お母さんも必見です。どうぞご期待下さい!


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