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梅津直人

まずね、お笑いをやっててね、酷なんだけど通り抜けないと行けないのは、お客さんが入んない状況でやんなきゃいけないこと。

演芸場でね、舞台袖からねカーテン開けて見てみると、

「おい、お客さん一人じゃねえかよ」って。

で、裏には芸人が30〜40人スタンバイしてる。3人組とかいるからね。
「ま、これから増えるよー」とか言いってね。

僕ら(※)にもトリとか努める時期があったんですよ。当時アマチュアん中では一番面白かった。
アマチュアの中では最強!みたいなグループだったんでね。
で、そんときに、二人で出て行くでしょ。
で、客一人でしょ。

俺らの前にマギー審司が出てて、やっぱり前の人はどうだろう、って気になるから幕からのぞくのね。
そしたらね、

客席ゼロなんだよね。

「うわー、客帰ったの!」って思ったら、マギー、客を舞台に上げてんだよ。
お客さん舞台に上げて、マジックしてんの。
客席がゼロで、お客さんと二人でマジックやり取りしてんの。

そういうのが、あったねー。
ずーっと、最初から何年かはそうだったね。
でも客席が一人でしょ。で、客席に話しかけるでしょ。そしたら一人だから答えるんだよね、「はい」って。
そんな中でやった記憶がね、結構おもしろかったかなあ。
いい勉強になったねえ。

あと、酔っ払いとか来てね。
俺らレスキュー隊のコントやってたら、急にね

「お前ら特攻隊って知らねーだろ」

って言ってきたのね。急にだよ。ネタの途中で。
「お前ら特攻隊を知ってるかー!!」って。「このやろー!!」って。
客席全員シーンとなって。

俺らもやめちゃうんだよね、そんな時は。
そんな異常な中で、こっちもコントをやってるんだけども、フリートークっていうか、止められてもお客さんとしゃべる。
芝居だったらできないでしょ。これがコントアクターのすばらしさで。
こっちに邪魔が入った時は、ちゃんと邪魔を相手する。
ほんともう、喧嘩ファイターみたいなもなんで。そういうノリがある。お笑いはね。

で、「俺は特攻隊だー」とか言いやがって。「特攻隊をやめんなよー」とか。
レスキュー隊なんだよ、俺ら。

で、「お前がここにいるから日本は負けたんだよ」って。
そしたらおやじ、静かになって、客席大爆笑。

そんな時期もありましたよ。
そんなライブを経て、マギーしんじは売れましたね。


(※)梅津直人さんはエルビスというお笑いグループで活動中。

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